実りの秋へ。。第76期B級2組順位戦/3回戦「飯塚七段-中村六段を振り返ろう」
今回は、昨日行なわれました
第76期B級2組順位戦/3回戦の中から
秋の風物詩・第65期王座戦の挑戦者に名乗りを上げた
貴公子・中村太地六段の対局を振り返らせていただきます。
2手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲中村六段: なし
△飯塚七段: なし
中村六段は先手で
居飛車党の実力者・飯塚七段と対戦。
中村六段初手は飛車先を突く▲2六歩。
対します、飯塚七段も2手目に同じく飛車先を突く
△8四歩と返して、対局はスタート。。
4手目△3ニ金。
上図での持ち駒
▲中村六段: なし
△飯塚七段: なし
続く3手目に、中村六段が角道を開くと
飯塚七段は追随せずに△3ニ金とし、戦型の選択に
含みを持たせて手番を先手に渡しました。。
9手目▲8八銀。
上図での持ち駒
▲中村六段: なし
△飯塚七段: なし
飯塚七段が6手目に飛車先を決めると
「角換わり」を目指す定跡手順の進行となり
迎えた上図から、次に。。
10手目△7七角成。
上図での持ち駒
▲中村六段: なし
△飯塚七段: 角
飯塚七段から角交換を敢行。
手損のない「ノーマル角換わり」となりました。
35手目▲5六銀。
上図での持ち駒
▲中村六段: 角
△飯塚七段: 角
角交換成立後
両者は前例を踏襲しながら指し進み
上図の局面で中村六段は銀を5筋へと繰り出し
「腰掛銀」に形を決めました。。
この手をみて、飯塚七段が次に
▲4ニ金右(36手目)と寄せたところで
午前の対局は終了、お昼休憩に突入。。
【 お昼のオーダー 】
中村六段: チキンカツ丼
飯塚七段: 肉豆腐定食
38手目△5四銀。
上図での持ち駒
▲中村六段: 角
△飯塚七段: 角
午後の対局開始の一手で
中村六段が6筋の歩を突くと(37手目▲6六歩)
飯塚七段は56分の長考の末、同じく銀を5筋に繰り出し
戦型はおなじみの「角換わり相腰掛銀」に決定。。
すると、次の瞬間。。
39手目▲3五歩。
上図での持ち駒
▲中村六段: 角
△飯塚七段: 角
中村六段は颯爽と3筋の歩を突き合わせ
このタイミングで仕掛けを開始しました。。
41手目▲7五歩。
上図での持ち駒
▲中村六段: 角
△飯塚七段: 角
飯塚七段は△同歩とは応じず
代わりに6筋の歩を突き合わせ即座に反発。。
(40手目△6五歩)
この手に対し
中村六段も▲同歩とは応じずに、お隣り7筋の
歩を突き合わせ、後手の桂頭を狙います。。
43手目▲6四角。
上図での持ち駒
▲中村六段: なし
△飯塚七段: 角、歩
飯塚七段が6筋の歩を取りこみ(42手目△6六歩)
桂馬の跳ねる場所を確保しつつ、貴重な一歩を
手持ちにすると、中村六段は26分の考慮の後に
6四の地点に角を打ち込み、先行します。。
飯塚七段は桂馬を飛車で守り(44手目△7ニ飛)
以下、▲7四歩~△6五桂~▲6六銀~△7七歩~
▲同桂~△同桂成~▲同金~7四飛~△9一角成に
下図54手目7六歩と進行。。
54手目△7六歩。
上図での持ち駒
▲中村六段: 桂、香、歩3
△飯塚七段: 角、桂
盤面向かって左側で駒が捌かれ、いざ開戦へ。。
攻勢強める飯塚七段が飛車先に歩を打ちこんだ
上図の局面で、夜戦に備えて夕食休憩に突入。。
【 夕食のオーダー 】
中村六段: 肉じゃが定食
飯塚七段: 冷やし月見そば
63手目▲4五桂。
上図での持ち駒
▲中村六段: 桂、香、歩3
△飯塚七段: 角、桂、歩
夕食休憩が明けると、中村六段が反撃開始。。
後手の飛車を馬で追い掛けながらリズムを整えると
上図で現代将棋の主役・桂馬を軽やかに跳躍。。
一気に形勢を引き離しにかかります。。
77手目▲3三香。
上図での持ち駒
▲中村六段: 桂、歩2
△飯塚七段: 角、桂2、歩
飯塚七段は必死の抵抗で食らいつきますが
中村六段はものともせず、一本調子で攻め込み
つけ入る隙を与えず、盤上を支配します。。
【 投了図・91手目▲3四歩 】
投了図での持ち駒
▲中村六段: 金、桂、歩2
△飯塚七段: 角、桂、香、歩2
中村六段はそのまま後手陣を押しつぶし
上図で飯塚七段は無念の投了を告げました。
終局時刻は午後9時7分。
生まれながらのナチュラルスーパーエリート
中村六段が完勝で順位戦開幕3連勝を飾り
1ヶ月後の王座戦開幕を鋭く見据えます。。
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先崎九段の早期ご回復をお祈り申し上げます。
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「冬の本場所」竜王戦へ。。
決勝三番勝負は松尾歩八段と対戦。。
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三度目の正直なるか。。
秋の陣、第65期王座戦挑戦者は
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神童は手厚く。。
藤井四段激戦譜(炎の七番勝負など)
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王位戦は苦しいスタートに。。
羽生三冠、藤井四段を語る