第25期銀河戦・Hブロック/11回戦「羽生三冠-稲葉八段を振り返ろう」
今回は木曜日(3日)に囲碁・将棋チャンネルにて
初回放送された第25期銀河戦のHブロック/11回戦
注目の「羽生善治三冠-稲葉陽八段」の模様を
振り返らせて頂きます。
2手目△3四歩。
上図での持ち駒
▲稲葉八段: なし
△羽生三冠: なし
先手は稲葉八段。
その初手は角道を開く▲7六歩から。
対します、羽生三冠も2手目△3四歩と同じく
角道を開き、対局はスタート。。
続く3手目に、稲葉八段が
飛車先の歩を突き居飛車を明示すると。。
4手目△4四歩。
上図での持ち駒
▲稲葉八段: なし
△羽生三冠: なし
羽生三冠は開いたばかりの角道を止め
振り飛車投入を示唆しました。。
11手目▲6八玉。
上図での持ち駒
▲稲葉八段: なし
△羽生三冠: なし
羽生三冠は9筋の端歩を突いてから
飛車に手をかけ、4筋へと振り(10手目△4ニ飛)
振り飛車の王道・四間飛車を投入。。
後手の飛車の振り先を確認した
稲葉八段がすぐに居玉を解除すると。。
12手目△9五歩。
上図での持ち駒
▲稲葉八段: なし
△羽生三冠: なし
羽生三冠は9筋の端歩を突き越し
先手の駒組みをけん制します。。
20手目△6ニ玉。
上図での持ち駒
▲稲葉八段: なし
△羽生三冠: なし
羽生三冠は得意の「藤井システム」を発動。
システムの特徴である居玉のまま駒組みを進めますが
先手が3筋の歩を突いたのを見て(19手目▲3六歩)
即座に居玉を解除。この辺りはおなじみの呼吸。。
46手目△8ニ玉。
上図での持ち駒
▲稲葉八段: 歩
△羽生三冠: 歩
稲葉八段は「穴熊」ではなく「左美濃」に囲うと
4筋に桂馬を絡めて大駒を並べ拠点を作ります。。
一方の羽生三冠は
上図で格調高く「高美濃囲い」を完成。
双方、駒組みの飽和点に近づき、開戦への
機運がジワジワと高まります。。
53手目▲2四歩。
上図での持ち駒
▲稲葉八段: 歩
△羽生三冠: なし
さきに仕掛けたのは稲葉八段。
後手の桂跳ねを呼び込んでから(48手目△6五桂)
角のラインが重なる2筋の歩を突き合わせました。。
羽生三冠は△同歩(54手目)と応じて、以下
▲2五歩~△同歩~▲同桂~△2ニ角~▲2八飛に
△5三銀~▲3三桂成~△同桂に▲4三歩~△6ニ飛~
▲2三飛成をみて、下図66手目△7五歩と進行。。
66手目△7五歩。
上図での持ち駒
▲稲葉八段: なし
△羽生三冠: 桂、歩2
羽生三冠は自然な応手で突破を許さず
上図で7筋の歩を突き合わせ反撃を開始します。。
82手目△4四角。
上図での持ち駒
▲稲葉八段: 歩
△羽生三冠: 歩
攻めあぐねる稲葉八段は受けに回りますが
しかし、羽生三冠は小駒を丁寧に活かしながら
着実に先手陣への圧力を強め、形勢の針は
徐々に後手へと傾いて行きます。。
85手目▲6五銀直。
上図での持ち駒
▲稲葉八段: 桂、歩
△羽生三冠: 歩2
このままではジリ貧とみて稲葉八段は
上図で銀を立て、後手の桂馬を食いちぎると
次に金との交換で、さらに4筋の桂馬を捕獲
強引に局面を動かします(87手目▲4六金)。。
が、しかし。。
99手目▲3六歩。
上図での持ち駒
▲稲葉八段: 桂3、歩2
△羽生三冠: 銀、歩3
羽生三冠はここでも突破を許さず。。
手厚い指し回しで先手の切り札・角を押さえ込み
上図から次に角交換が成立。
手番を握った羽生三冠は。。
108手目△6七銀。
上図での持ち駒
▲稲葉八段: 角、桂3、歩3
△羽生三冠: 歩3
一気にアクセル全開。。
先手陣に猛攻を仕掛け、勝負を決めに出ました。。
【 投了図・124手目△7九馬 】
投了図での持ち駒
▲稲葉八段: 飛、銀、桂、香、歩4
△羽生三冠: 金、桂、歩2
上図の局面をみて稲葉八段、無念の投了。
後手番の振り飛車で快勝を飾った羽生三冠は
銀河戦決勝トーナメント進出を決めました。
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注目の初手合いは
想像以上の圧倒的な大差に。。
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菅井七段は王位戦にさらなる弾みが。。
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羽生三冠、藤井四段を語る
冬の本場所」竜王戦へ。。
決勝三番勝負は松尾歩八段と対戦。。
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三度目の正直なるか。。
秋の陣、第65期王座戦挑戦者は