第６５期王座戦５番勝負/第３局「中村六段リードで終盤戦突入」
６連覇を目指す羽生善治王座に
関東のプリンス・中村太地六段が挑戦する
将棋界秋の陣・第６５期王座戦５番勝負。。
ここまで２局を消化し、中村六段が２連勝。
悲願の初タイトル奪取へ王手をかけて迎えた大一番
第３局が本日、新潟県南魚沼市「温泉御宿 龍言」にて
運命の幕を開きました。。
第３局の先手は中村六段。
その初手は飛車先突く▲２六歩から。。
２手目△８四歩。
上図での持ち駒
▲中村六段： なし
△羽生王座： なし
対します、カド番でもう後のなくなった
羽生王座も２手目に同じく飛車先を突く
△８四歩と返し、対局はスタート。。
続く３手目に
中村六段が▲７六歩と角道を開くと。。
４手目△８五歩。
上図での持ち駒
▲中村六段： なし
△羽生王座： なし
羽生王座は早くも趣向の一手を披露。。
先手に追随して角道を開くでも、一般的な△３ニ金でもなく
４手目に飛車先の歩を突き越しました。。
８手目△３四歩。
上図での持ち駒
▲中村六段： なし
△羽生王座： なし
この手に対し、中村六段は
同じく飛車先を決めてから（５手目▲２五歩）
後手の△３ニ金をみて、▲７七角とし８筋を受けます。
すると、羽生王座は１分の少考で角道を開き
「角換わり」を目指す定跡形に合流しました。。
しかし、最近は角交換を拒む進行も多々見られ
中村六段は次に左の銀を立て（９手目▲７八銀）
羽生王座の作戦に注意を払います。。
が、次の瞬間。。
１０手目△７七角成。
上図での持ち駒
▲中村六段： なし
△羽生王座： 角
羽生王座は間髪入れずに角交換を敢行。
タイトルのゆくえの懸かった大一番は、手に染みた
「角換わり」での勝負を志向しました。。
２３手目▲４七銀。
上図での持ち駒
▲中村六段： 角
△羽生王座： 角
角交換成立後
両者は前例を踏襲しながら駒組みを進め
右銀を中央に進出させる動きをみせますが。。
３４手目△１四歩。
上図での持ち駒
▲中村六段： 角
△羽生王座： 角
互いに右銀を自陣に保留したまま
飛車を自陣最下段に引き下げ、左右の端歩を突き合う
同形模様の進行となり、大一番らしい慎重さと緊張感が
盤上に静かに漂う序盤戦となりました。。
３７手目▲５六銀。
上図での持ち駒
▲中村六段： 角
△羽生王座： 角
駒悔いの飽和点が近づく中
羽生王座が先に銀を５筋に構えると（３６手目△５四銀）
中村六段もすぐに追随、右の銀を５筋に繰り出し戦型は
「ノーマル角換わり」の定番相腰掛銀」に決定。。
すると。。
３８手目△６五歩。
上図での持ち駒
▲中村六段： 角
△羽生王座： 角
羽生王座は６筋の歩を突き合わせ
気合も満タン、先に仕掛けを開始しました。。
中村六段はすぐに▲同歩（３９手目）と応じて、以下
△同桂～▲６六銀～△６四歩～▲４五歩～△３一玉に
▲４六角～△６三金をみて、下図４７手目▲７七桂と進行。
４７手目▲７七桂。
上図での持ち駒
▲中村六段： 歩
△羽生王座： 角
しかし、羽生王座の攻勢は６筋に跳ねた桂馬を中心に
攻撃の起点を作るに止まり、ジッと自陣の整備を進めます。
一方の中村六段は手持ちの角を盤上に再投入すると
左の桂馬を跳躍させて桂交換を誘うなど、逆に攻勢を強めた
上図の局面で、午前の対局は終了となりお昼休憩に突入。。
【 お昼のメニュー 】
中村六段： しょうが焼き定食、グレープフルーツジュース
羽生王座： 親子丼、りんごジュース
４８手目△９ニ香。
上図での持ち駒
▲中村六段： 歩
△羽生王座： 角
午後の対局開始の一手で
羽生王座は９筋の香車を一段上げて、フワッと手渡し。。
羽生王座らしい柔軟で柔らかい手が盤上に現われました。。
手番を渡された中村六段が玉頭に歩を配置し
囲いの隙間を埋めると（４９手目▲６七歩）。。
５０手目△８六歩。
上図での持ち駒
▲中村六段： なし
△羽生王座： 角
一拍置いた羽生王座は飛車先から突っかけ
再び攻勢に転じました。。
５３手目▲６五桂。
上図での持ち駒
▲中村六段： 桂、歩
△羽生王座： 角、歩
直後に８筋で歩交換が成立。。すると
中村六段は突進してきた羽生飛車を受けずに
先に桂交換を敢行、このタイミングで駒を捌きます。。
５７手目▲９一角成。
上図での持ち駒
▲中村六段： 桂、歩
△羽生王座： 角、桂、歩
桂馬交換で出来たスペースを突いて
中村六段は機敏に起点の角を成り込むと。。
６３手目▲８六香。
上図での持ち駒
▲中村六段： 桂
△羽生王座： 角、歩２
馬で捕獲した香車を羽生飛車に突きつけ
さらに大駒の捕獲に成功しますが。。
６４手目△５六桂。
上図での持ち駒
▲中村六段： 桂
△羽生王座： 角、銀、歩２
羽生王座は握った手番で桂馬を跳躍。。
飛車をオトリに、攻撃のアクセルを踏み込みます。。
中村六段は▲同歩（６５手目）と払い、以下
△４七銀～▲５七金～△７六歩～▲８五香～△７七歩成に
▲同玉～△３八銀不成～▲８九飛をみて、下図７４手目
△４八角と激しく進行。。
７４手目△４八角。
上図での持ち駒
▲中村六段： 飛、桂２、歩
△羽生王座： 銀、歩３
強引に先手陣を乱した
羽生王座は手持ちの角を投入し力を溜めます。。
一方、自然な応手を羽生飛車を捕獲した中村六段は
オリジナルの飛車を８筋に振り、攻守に利かせると。。
８１手目▲６一飛。
上図での持ち駒
▲中村六段： 桂２、歩２
△羽生王座： 銀、桂、歩４
２筋に居を移した羽生玉を吊り上げてから
手持ちの飛車を敵陣に投入し、形を決めます。。
この局面で、夜戦に備えて夕食休憩に突入。。
【 夕食のメニュー 】
中村六段： 和牛カレー、グレープルーツジュース
羽生王座： サンドウィッチ、ホットコーヒー
現時点では、やや先手が押しているように感じますが。。
果たして、土壇場で羽生王座の切り返しがあるのか。。
王座戦のクライマックスが迫ります。。
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舞台は火の国・熊本
絶好調の秀英を撃破。。
王位戦は大ピンチ。。
竜王戦の舞台で
７年ぶりに頂上決戦が実現
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ブロ二年目もさらなる飛躍の年に。。
藤井四段激戦譜（炎の七番勝負など）