第3期叡王戦・七段戦/準決勝「菅井王位、猛攻に撃沈」
2手目△3四歩。
上図での持ち駒
▲小林七段: なし
△菅井王位: なし
佳境を迎える第3期叡王戦の段位別予選。
本日は七段戦の準決勝に注目の菅井竜也王位が登場。
関西将棋会館にて小林裕士七段と対戦しました。
先手は小林七段。
その初手は飛車先を突く▲2六歩から。
対します、菅井王位は2手目△3四歩と角道を開き
対局はスタートとなりました。。
3手目▲2五歩。
上図での持ち駒
▲小林七段: なし
△菅井王位: なし
続く3手目に、小林七段は飛車先を決め
後手に△3三角(4手目)の受けを強要し
菅井七段の振り飛車をけん制します。。
7手目▲3三角成。
上図での持ち駒
▲小林七段: 角
△菅井王位: なし
後手の▲3三角をみて
自らの角道を開いた小林七段は(5手目▲7六歩)
すかさず角交換を敢行。出だしから積極的に動きます。。
20手目△3三桂。
上図での持ち駒
▲小林七段: 角
△菅井七段: 角
先手の注文に動じることなく
菅井七段は角交換成立直後に飛車を3筋へと振り
「三間飛車」に構えると、「棒銀」ならぬ「棒金」を前進。。
さらに、飛車と金の間に桂馬を跳躍させ
独創的な構想を淡々と盤上に反映して行きます。。
35手目▲7七角。
上図での持ち駒
▲小林七段: なし
△菅井王位: 角、歩
一方の小林七段は二枚の銀を自陣に並べ
「矢倉」に代わって居飛車の囲いの主流になりそうな
現在大流行中の「雁木」に構えると、上図で手持ちの角を
7七の地点に打ち込み、意欲的な模様を張ります。
この手に対し
菅井七段は「角には角」の格言通りに
△3三の地点へ角を打ち込みますが(36手目)。。
42手目△9四歩。
上図での持ち駒
▲小林七段: なし
△菅井王位: 歩
小林七段は角交換を拒み、駒組みを継続。。
菅井七段はその間に「美濃囲い」を完成させると
9筋の端歩を突き、囲いに空気を入れます。。
すると、次の瞬間。。
43手目▲9五歩。
上図での持ち駒
▲小林七段: なし
△菅井王位: 歩
小林七段は9筋の歩を突き合わせ
端から仕掛けを開始しました。。
菅井王位は△同歩(44手目)と応じて、以下
▲同香~△同香~▲同角に△9七歩~▲同桂~
△9一香~▲8六角~下図52手目△9六歩と進行。。
52手目△9六歩。
上図での持ち駒
▲小林七段: 香、歩2
△菅井王位: なし
菅井王位は前に出た先手の裏を取り
鮮やかに9筋を押さえ込み、桂馬を捕獲しました。。
65手目▲7四歩。
上図での持ち駒
▲小林七段: 桂、香、歩
△菅井王位: 桂、歩
しかし、小林七段は盤上を広く使い反撃。。
上図では自らの玉頭から強く踏み込むと。。
79手目▲9四歩。
上図での持ち駒
▲小林七段: 桂
△菅井王位: 桂、歩4
後手の「美濃囲い」の上部を剥がし
小林七段は菅井玉の頭上から直接迫ります。。
97手目▲9三銀。
上図での持ち駒
▲小林七段: なし
△菅井七段: 桂2、香、歩6
グイグイと手が伸びる小林七段の攻勢は続き
菅井玉を一気に土俵際まで追い込みました。。
116手目△5三香。
上図での持ち駒
▲小林七段: 角、銀
△菅井王位: 飛、銀2、桂2、歩6
タイトルホルダーの威信に懸けて
簡単には終われない菅井王位はギリギリで凌ぎつつ
必死の反撃で勝利への執念を燃やしますが。。
【 投了図・147手目▲8一飛打 】
投了図での持ち駒
▲小林七段: 金、桂、香
△菅井王位: 角2、金、歩7
小林七段はガッチリと腰を落として
後手の猛攻を全て弾き返してから、怒涛の寄せに入ると
上図の局面で菅井王位、無念の投了となりました。。
本局は小林七段の会心譜。。
重戦車が軽快な捌きが売りの若き王位を撃破しました。
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ブロ二年目もさらなる飛躍の年に。。
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