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第７期叡王戦・九段戦/３回戦「森内九段－三浦九段を振り返ろう」
２手目△８四歩。
上図での持ち駒
▲三浦九段： なし
△森内九段： なし
今週の将棋界は第７期叡王戦の段位別予選がたけなわ。。
今回は最高クラスである九段戦の３回戦で実現した好カード
「森内俊之九段－三浦弘行九段」の模様を振り返ります。。
本局の先手は三浦九段。
その初手は飛車先を突く▲２六歩から。
対します、森内九段も２手目に同じく飛車先を突く
△８四歩と返し、対局はスタート。。
４手目△８五歩。
上図での持ち駒
▲三浦九段： なし
△森内九段： なし
次に両者は息を合わせて飛車先を決め
戦型は「相掛かり」となりました。。
１２手目△８六歩。
上図での持ち駒
▲三浦九段： なし
△森内九段： なし
互いに角頭を金で受け、飛車の横に銀を立てる
おなじみの同形模様の出だしから、さらに息を合わせて
９筋の端歩を突き合った後、三浦九段が３筋の歩を突いたのをみて
森内九段は同形模様に別れを告げ、飛車先から突っかけます。。
１５手目▲６八玉。
上図での持ち駒
▲三浦九段： 歩
△森内九段： 歩
以下、▲同歩～△同飛の進行で歩交換が成立。。
三浦九段は突進してきた後手の飛車先を受けずに
居玉を解除する趣向の一手を披露しました。。
この手をみて
森内九段が角道を開くと。。
（１６手目△３四歩）
１７手目▲２四歩。
上図での持ち駒
▲三浦九段： 歩
△森内九段： 歩
三浦九段は返す刀で
自らの飛車先２筋の歩を突き合わせました。。
３５手目▲７五飛。
上図での持ち駒
▲三浦九段： 歩２
△森内九段： 歩
２筋でも同じ手順で歩交換が成立すると
互いに角頭をケアしてから駒組みは進行しますが
上図の局面で、三浦九段は飛車を７筋へと振り
後手の駒組みをけん制します。。
この手に対し、森内九段は６筋の歩を突き
逆に先手の飛車にプレッシャーをかけると（３６手目△６四歩）
三浦九段が飛車を元居た２筋へ戻したのをみて。。
（３７手目▲２五飛）
３８手目△８六歩。
上図での持ち駒
▲三浦九段： 歩２
△森内九段： なし
森内九段は再度飛車先から突っかけ
先手からの仕掛けを催促します。。
この手に対し、三浦九段は。。
３９手目▲２二角成。
上図での持ち駒
▲三浦九段： 角、歩２
△森内九段： なし
見切り良く、角交換を敢行し
頃合よろしく盤上へいざ開戦を告げました。。
森内九段は△同銀（４０手目）と応じて、以下
▲７五角～△７四飛～▲８六歩～△５四角～▲８八銀に
△７六角～▲６六角～△４四歩～▲８七銀～△４三角をみて
▲７六歩～△６六歩～５３手目▲７七角と進行。。
５３手目▲７七角。
上図での持ち駒
▲三浦九段： 歩２
△森内九段： 歩
角交換成立後
両者はすぐに手にした角を盤上へ再投入し拠点としますが
互いに相手の角を標的に模様を動かしながら均衡を保ち
じっくりと間合いを計り合う、長い中盤戦が展開されます。。
６９手目▲４五飛。
上図での持ち駒
▲三浦九段： 歩２
△森内九段： 歩３
その均衡を打破したのは、三浦九段でした。。
機敏に敵将が居を構える４筋を上空から押さえ込み
飛車・角・桂が連結した迫力ある攻撃態勢を築くと。。
７３手目▲２二角成。
上図での持ち駒
▲三浦九段： 金、歩３
△森内九段： 飛、歩３
森内九段が銀で飛車を捕獲した、次の瞬間
三浦九段は金を捕獲しながら狙いの角を成り込み
景気良く、終盤戦の幕を開きました。。
９０手目△７七桂成。
上図での持ち駒
▲三浦九段： 金、桂、歩３
△森内九段： 飛、金、歩２
しかし、森内九段ももちろん黙ってはおらず。。
起点の桂を回転させながら敵陣へと踏み込み
双方、敵将の頭上から華々しく寄せに行きます。。
【 投了図・１１５手目▲４一飛 】
投了図での持ち駒
▲三浦九段： 金、桂、歩４
△森内九段： 銀、歩２
激烈な最終盤戦の攻防を制したのも三浦九段。。
森内九段渾身の寄せを際どく凌いで握った手番で
ドスンと飛車の王手を打ち込んだ、上図の局面で
森内九段は無念の投了を告げました。。
ハイレベルな激戦を見事制した
三浦九段は颯爽と九段戦/決勝へと進出。。
「渡辺明名人－久保利明九段」の勝者と
本戦出場を懸けて激突します。。