第29期銀河戦決勝T/2回戦「藤井四冠-佐々木五段を振り返ろう」
今回は木曜日(9日)に放送されました
第29期銀河戦決勝トーナメント/2回戦の注目カード
「藤井聡太四冠-佐々木大地五段」の一戦の模様を
ご紹介させていただきます。。
2手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲藤井四冠: なし
△佐々木五段: なし
本局の先手は藤井四冠。
その初手は飛車先を突く▲2六歩から。。
対します、佐々木五段も2手目に同じく飛車先を突く
△8四歩と返し、ともに居飛車を明示して対局はスタート。。
4手目△8五歩。
上図での持ち駒
▲藤井四冠: なし
△佐々木五段: なし
次に両者は息を合わせて飛車先を決め
戦型は「相掛かり」となりました。。
11手目▲3六歩。
上図での持ち駒
▲藤井四冠: なし
△佐々木五段: なし
互いに角頭を金で受けてから飛車の横腹へ銀を立て
さらに角側の端歩を突き合う、同形模様の出だしから
藤井四冠は3筋の歩を突き、銀・桂の活用をみせつつ
後手からの飛車先での歩交換を誘います。。
この手に対し、佐々木五段は
誘いに乗らずに△6四歩(12手目)と返すと。。
13手目▲2四歩。
上図での持ち駒
▲藤井四冠: なし
△佐々木五段: なし
藤井四冠は2筋の歩を突き合わせ
先に自らの飛車先での歩交換を敢行しました。。
27手目▲4六銀。
上図での持ち駒
▲藤井四冠: 歩
△佐々木五段: なし
歩交換成立後は、双方自陣の駒組みを進め
佐々木五段が高い位置に構えた二枚銀のうち
左側を戦場に構えたのをみて(26手目△4四銀)
藤井四冠も呼応し「銀対抗」が描き出されます。。
48手目△2二玉。
上図での持ち駒
▲藤井四冠: 歩
△佐々木五段: なし
互いに角のラインを変えながらの駒組みは続き
上図の局面で、佐々木五段は「金無双」の中へと
玉の「入城」を完了しました。。
すると、局面はいきなり硬直し
佐々木五段は飛車を左右に(△5一飛~7一飛~)
藤井四冠は角を上下に繰り返し動かし(▲3七角~4八角~)
盤上は「千日手」の流れとなりますが。。
62手目△7五歩。
上図での持ち駒
▲藤井四冠: 歩
△佐々木五段: なし
藤井四冠が飛車を下げたのをみて(61手目▲2八飛)
佐々木五段は一転、7筋からの仕掛けを決断しました。。
藤井四冠は▲同歩(63手目)と応じて、以下
△同角~▲4八角~△同角成~▲同飛~△3九角~
▲3八飛~△8四角成~▲7六歩~△8一飛に▲3七桂~
△7五歩~▲同歩~下図76手目△同馬と進行。。
76手目△7五同馬。
上図での持ち駒
▲藤井四冠: 角、歩2
△佐々木五段: 歩
角交換成立後、佐々木五段は機敏に角の拠点を作り
先手に揺さぶりをかけますが、藤井四冠は動じることなく
相手の手に乗りながら、局面をおさめつつ陣形を整えると
上図から次に、まずは馬をなだめてから(77手目▲7六歩)。。
79手目▲1五歩。
上図での持ち駒
▲藤井四冠: 角、歩
△佐々木五段: 歩
返す刀で1筋の歩を突き合わせ
藤井四冠は端から反撃の狼煙を上げました。。
すると。。
89手目▲1三歩。
上図での持ち駒
▲藤井四冠: 角
△佐々木五段: 歩4
藤井四冠の攻め手は鮮やかに繋がり
あっという間に後手玉の頭上を制圧しました。。
110手目△3八銀。
上図での持ち駒
▲藤井四冠: 角
△佐々木五段: 桂、歩6
しかし、長崎が生んだ期待の大器
佐々木五段もひと潰しになってたまるかと必死に応戦し
大駒の連携で先手の飛車を押さえ込みに掛かりますが。。
131手目△2三銀。
上図での持ち駒
▲藤井四冠: 桂
△佐々木五段: 角、銀、歩6
一枚上手を行く藤井四冠は悠々と
飛車・角の大駒をおとりに後手の攻撃陣をかわすと
小駒の連打で畳み掛け、ガッチリと後手玉を包囲し
一切の淀みなく、形勢の針を引き寄せます。。
【 投了図・159手目▲4二銀 】
投了図での持ち駒
▲藤井四冠: 桂、歩
△佐々木五段: 銀、歩4
スケールの大きな神童の指し回しの前に
佐々木五段は為す術なく、上図の局面をみて
万策尽き果て無念の投了を告げました。。
本局でも圧倒的な強さをみせつけた
藤井四冠は堂々の準決勝進出を決めました。。
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