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今期も独走態勢へ。。第８０期Ａ級順位戦/６回戦「佐藤天九段－斎藤八段を振り返ろう」
今回は昨日行われました第８０期Ａ級順位戦/６回戦
注目の「佐藤天彦九段－斎藤慎太郎八段」の模様を
振り返らせていただきます。。
２手目△８四歩。
上図での持ち駒
▲佐藤九段： なし
△斎藤八段： なし
本局の先手は佐藤九段。
その初手は角道を開ける▲７六歩から。。
対します、斎藤八段は２手目に飛車先を突く
△８四歩と返し、対局はスタート。。
早々と居飛車を明示し
戦型の選択権を先手に委ねた後手に対して
生粋の居飛車党・佐藤九段の意向が明らかとなる
次の３手目は。。
３手目▲６八銀。
上図での持ち駒
▲佐藤九段： なし
△斎藤八段： なし
佐藤九段は１分の少考で気息を整えてから
３手目▲６八銀とし、「矢倉」を指向しました。。
１４手目△７三桂。
上図での持ち駒
▲佐藤九段： なし
△斎藤八段： なし
しかし、確立された定跡手順の進行とは当然ならず。。
互いに居玉のまま、早々と飛車先を決めた先手に対して
角道を通したままの斎藤八段は飛び道具の桂馬を跳ね上げ
早い攻めを見せつつ、相手の出方をけん制します。。
２６手目△４四歩。
上図での持ち駒
▲佐藤九段： なし
△斎藤八段： なし
現代調の出だしから盤上は「相矢倉」模様を描き出し
斎藤八段が角道を止めて自陣を広げた、上図の局面で
午前の対局は終了、お昼休憩突入となりました。。
【 昼食のオーダー 】
両者ともに
「サービスランチ（豚ロース肉しょうが焼）」
サービスランチを注文ということは、そう
本局の舞台は西の聖地・関西将棋会館にて。。
２９手目▲６六歩。
上図での持ち駒
▲佐藤九段： なし
△斎藤八段： なし
午後の対局も、まずは双方自陣の駒組みから。。
玉頭に銀を立てた斎藤八段に対して（２８手目△４三銀）
佐藤九段は６筋の歩を突き、囲いの完成を目指します。。
この手をみて
斎藤八段は２０分の考慮の末に。。
３０手目△６五歩。
上図での持ち駒
▲佐藤九段： なし
△斎藤八段： なし
機敏に６筋の歩を突き返し
このタイミングでの仕掛けを決断しました。。
佐藤九段はすぐに▲同歩（３１手目）と応じて、以下
△４五歩～▲６七金右～△８六歩～▲同歩に△６五桂～
▲６六銀～△５三銀～▲４六歩をみて△６二飛～▲４八銀～
△７五歩～▲同歩～下図４４手目△６四銀と進行。。
４４手目△６四銀。
上図での持ち駒
▲佐藤九段： 歩３
△斎藤八段： 歩
斎藤八段は手際よく
攻守のバランスを取りながら攻防の主導権を握り
飛車を合わせた６筋に戦力を集め拠点を作りました。。
一方、ジッと我慢の展開が続く佐藤九段が
手番の回った上図から次に、▲７四歩（４５手目）と突き出し
足場を固めた局面で、夜戦に備えて夕食休憩に突入。。
【 夕食のオーダー 】
佐藤九段： 豚しゃぶカレー」（CoCo壱番屋）
斎藤八段： チキンにこみカレー」（CoCo壱番屋）
４９手目△６五桂。
上図での持ち駒
▲佐藤九段： 桂、歩３
△斎藤八段： なし
夕食休憩明け直後
先手陣８筋に歩を成り込み追撃に入った後手の手に乗り
佐藤九段は桂馬を争点の６筋の戦場へと強く跳ね上げ
流れを変えるべく、桂交換から駒の捌きを狙います。。
６０手目△６五桂。
上図での持ち駒
▲佐藤九段： 歩３
△斎藤八段： 桂、香、歩
前に出た先手に対して
斎藤八段も受けには回らず、攻め合いの開戦へ。。
佐藤九段は桂馬を拠点に小駒で後手玉へと迫りますが
飛車を成り込んだ斎藤八段は、上図で余裕の切り返し。。
金取りを放置しただけでなく
何と、９筋に居た「と」金を８筋に寄せただけで
あまりにも爽やかに、後手に手番を渡しました。。
盤上が風雲急を告げる中
佐藤九段は堂々と金を取り込み（６１手目▲５二銀成）
怒りの寄せへと入ります。。
７３手目▲４二銀。
上図での持ち駒
▲佐藤九段： 金、歩３
△斎藤八段： 銀、桂、香、歩
そのまま一直線に敵将へと迫る
佐藤九段の寄せはそつなく、厳しくみえますが。。
しかし。。
【 投了図・８６手目△９八龍 】
投了図での持ち駒
▲佐藤九段： 角、金、歩５
△斎藤八段： 金、銀３、桂、香、歩
攻防の主導権を握っていたのは、斎藤八段。。
先手の寄せを読み切り、ギリギリのところで凌いでから
「と」金で敵陣を崩し、最後は龍の王手で仕留め上げた
上図の局面で、佐藤九段は無念の投了を告げました。。
終局時刻は午後１１時２８分。
充実の斎藤八段は順位戦開幕無傷の６連勝を飾り
２年連続の名人挑戦へ、早くも独走態勢に入りました。。
一方、敗れた佐藤九段は３勝３敗となりました。。
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