本領発揮の初載冠。。第29期銀河戦/決勝「渡辺名人-菅井八段を振り返ろう」
今回は昨日放送されました
注目の第29期銀河戦決勝トーナメント/決勝
「渡辺明名人-菅井竜也八段」の一戦の模様を
ご紹介させていただきます。。
2手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲菅井八段: なし
△渡辺名人: なし
本局の先手は菅井八段。
その初手でいきなり中央5筋の歩を突いて
代名詞である振り飛車投入を示唆しました。。
対します、準決勝で天敵の藤井聡太四冠を下し
活き上がる渡辺名人は2手目△8四歩と飛車先を突き
こちらは居飛車を明示して対局はスタート。。
7手目△8八飛。
上図での持ち駒
▲菅井八段: なし
△渡辺名人: なし
お互いのポリシーを強く盤上へ反映させる出だしから
菅井八段は上図で飛車に手をかえると、8筋へと振り
「向かい飛車」を選択、戦型は「対抗形」となりました。。
25手目▲1八香。
上図での持ち駒
▲菅井八段: なし
△渡辺名人: なし
飛車のポジションが決まったところで
両者は息を合わせて玉の囲いを目指す進行となり
「美濃囲い」の後手に対して、菅井八段は上図の局面で
1筋の香車を繰り上げ、「穴熊」を明示しました。。
30手目▲7五歩。
上図での持ち駒
▲菅井八段: なし
△渡辺名人: なし
菅井八段がそのままソツなく
玉を「穴熊」に収め、囲いの完成を目指したのをみて
渡辺名人は銀を6筋の戦場へ構えてから、飛車を合わせた
7筋の歩を突き合わせ、機敏に仕掛けを開始します。。
44手目△2二玉。
上図での持ち駒
▲菅井八段: 歩
△渡辺名人: なし
互いの飛車が向き合う7筋に一本利かしを入れて
抜け目なく起点を作った渡辺名人は、自陣に手を戻し
上図で格調高く、「高美濃」の中へ玉の「入城」を完了。。
この手をみて
菅井八段は金を立てに並べて(45手目▲3八金寄)
密閉率を引き上げ、こちらも強固な「穴熊」を完成。。
双方駒が組み上がり、開戦の機運が高まります。。
52手目△5五歩。
上図での持ち駒
▲菅井八段: なし
△渡辺名人: なし
両者は歩を突き、ギリギリまで間合いを詰め合いますが
迎えた上図の局面で、渡辺名人は5筋の歩を突き合わせ
角道を開けつつ、ここも先攻し仕掛けを開始しました。
菅井八段は強く▲同歩(53手目)と応じて、以下
△同銀~▲同銀~△同角~▲7六飛に△6五銀をみて
▲7八飛~△9九角成~▲7七桂~△5二飛~▲4八角~
△5四銀~▲5三歩~△7二飛~下図67手目▲6六角。。
67手目△6六角。
上図での持ち駒
▲菅井八段: 銀、歩
△渡辺名人: 歩
銀交換を合図に、そのままいざ開戦へ。。
前に出た名人に対して、菅井八段は振り飛車らしい
軽快な対応で切り返し、攻防の主導権を握ると。。
85手目△5三歩成。
上図での持ち駒
▲菅井八段: 銀、歩
△渡辺名人: 角、桂、歩
飛車をオトリに小駒が敵陣5筋を制圧。。
振り飛車党の若き旗頭・菅井八段が面目躍如。。
華麗な指し回しで形勢をグイっと引き寄せます。。
【 投了図・119手目▲5一飛 】
投了図での持ち駒
▲菅井八段: 金、歩
△渡辺名人: 角、金、銀2、歩2
終盤戦は菅井八段の独り舞台。。
小駒の連打で敵陣を気持ちよく切り崩してから
とどめの飛車を打ち下ろした、上図の局面をみて
渡辺名人は無念の投了を告げました。。
名人相手に見事な快勝を飾った
菅井八段がこの瞬間、銀河戦初優勝を決めました!