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オールスター東西対抗戦２０２１「藤井竜王－佐藤八段を振り返ろう」
今回は昨日行われました将棋界の新たな試み
「サントリー 将棋オールスター東西対抗戦２０２１」から
今年の顔・藤井聡太竜王の対局の模様を振り返ります。。
２手目△３四歩。
上図での持ち駒
▲藤井竜王： なし
△佐藤八段： なし
ファン投票でダントツの１位を獲得した西軍の藤井竜王は
予選を突破し出場権を獲得した東軍の佐藤秀司八段と対戦。
本局の先手は藤井竜王。
その初手は飛車先を突く▲２六歩から。。
対します、佐藤八段は２手目△３四歩と角道を開き
含みと持たせて対局をスタートしました。。
１０手目△４三銀。
上図での持ち駒
▲藤井竜王： なし
△佐藤八段： なし
続く３手目に、藤井竜王も角道を開いたのをみて
佐藤八段はすかさず自らの角道を止めると（４手目△４四歩）
自陣二段目を空け、振り飛車投入を示唆します。。
１６手目△６二銀。
上図での持ち駒
▲藤井竜王： なし
△佐藤八段： なし
しかし、佐藤八段は飛車の態度を保留したまま
二枚の銀を高く並べて構える「雁木」を目指します。。
後手の趣向の駒組みに対しても
全く動じることなく、淡々と駒組みを進める藤井竜王は
上図から次に、銀を飛車のコビンに繰り上げると（１７手目▲３七銀）
佐藤八段が７筋の歩を突いたのをみて（１８手目△７四歩）。。
１９手目▲３五歩。
上図での持ち駒
▲藤井竜王： なし
△佐藤八段： なし
サクッと３筋の歩を突き合わせ
駒組みの完成を前に、軽く仕掛けを開始します。。
２４手目△７五歩。
上図での持ち駒
▲藤井竜王： 歩
△佐藤八段： 歩
３筋で歩交換を成立させながら
銀を飛車先に乗せ、「棒銀」に構えた藤井竜王に対し
その間に飛車を７筋に合わせた佐藤八段は、上図でガツンと
丸い先手の角頭で歩を突き合わせ、反撃に転じました。。
が、しかし。。
３３手目▲３四歩。
上図での持ち駒
▲藤井竜王： 歩
△佐藤八段： 歩２
以下、▲同歩～△同飛の進行で７筋でも歩交換が成立すると
藤井竜王は突進して来た後手の飛車に角を当てて追い払ってから
飛と銀を３筋に合わせ、角の利きも加えた瞬く間に攻撃態勢を整えると
そのまま拠点の３筋に厳しく歩を突き立て、いざ開戦を迫ります。。
佐藤八段はたまらず△２二角（３４手目）と引いて
以下、▲２四歩～△同歩～▲２八飛～△２五歩に▲２二角成～
△同金～▲２四飛～△２三歩～▲２六飛～△５五角をみて
▲３七角～△９九角成～下図４７手目▲９一角成と進行。。
４７手目▲９一角成。
上図での持ち駒
▲藤井竜王： 香、歩２
△佐藤八段： 香、歩２
前の圧力を一気に高めた藤井竜王に対して
佐藤八段は天王山・５筋の位へ切り札の攻防の角を投入すると
竜王の角交換の打診には応じず、先手陣へと角を成り込み
最強相手に覚悟を決めて、攻め合いの終盤戦を挑みます。。
６４手目△４六同龍。
上図での持ち駒
▲藤井竜王： 飛、桂、香２、歩２
△佐藤八段： 銀、桂、歩４
佐藤八段は先手必勝と気合も十分に
金・銀のボックスに身を隠した敵将を激しく攻め立て
大駒を駆使して先手の要塞の粉砕を狙いますが。。
７５手目▲４六同香。
上図での持ち駒
▲藤井竜王： 飛、桂、歩５
△佐藤八段： 銀、歩
藤井竜王はどこまでも気高く高貴に
馬を遠見の拠点に据えて、二枚の香車で後手を翻弄。。
鉄壁の守りと急所を突く攻めで主導権をガッチリ握ります。。
【 投了図・９３手目▲４五飛 】
投了図での持ち駒
▲藤井竜王： 銀、歩５
△佐藤八段： 桂、歩
藤井竜王は香車に続けて桂馬を巧みに活用。。
小駒の勇躍に飛・角の大駒がしなやかに連動する
神童の圧倒的な指し回しを前に、佐藤八段は成す術なく
上図の局面をみて、無念の投了を告げました。。
さすがの強さをみせつけた
藤井竜王が年内最後の対局を完勝で締め括り
新年のさらなる飛躍へ、爽やかに気勢を上げました。。
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