第65期王座戦5番勝負/第4局「羽生王座のカウンター炸裂。。白熱の終盤戦へ」
6連覇を目指す羽生善治王座に
関東のプリンス・中村太地六段が挑戦する
将棋界秋の陣・第65期王座戦5番勝負。
ここまで3局を消化し、中村六段が2勝1敗とリード。
悲願の初タイトル奪取へ王手を懸けて迎えた大一番
第4局が本日、「横浜ロイヤルパークホテル」にて開幕。。
第4局の先手は羽生王座。
カド番を一つ凌いで迎えた本局の初手は
普段通りに角道を開く▲7六歩から。。
2手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲羽生王座: なし
△中村六段: なし
対します、中村六段は2手目に
飛車先を突く△8四歩と返し、対局はスタート。。
早々と居飛車を明示し
戦型の選択権を先手に委ねた後手に対して
羽生王座の作戦が明らかとなる、次の3手目は。。
3手目▲2六歩。
上図での持ち駒
▲羽生王座: なし
△中村六段: なし
羽生王座は3手目▲2六歩として
「角換わり」での勝負を指向しました。。
9手目▲8八銀。
上図での持ち駒
▲羽生王座: なし
△中村六段: なし
「角換わり」を主戦に据える中村六段も文句無し。
そのまま定跡手順の進行となり、迎えた上図から次に。。
10手目△7七角成。
上図での持ち駒
▲羽生王座: なし
△中村六段: 角
中村六段は1分の少考で角交換を敢行。
手損のないノーマル角換わり」となりました。。
18手目△7四歩。
上図での持ち駒
▲羽生王座: 角
△中村六段: 角
角交換成立後
次なる焦点は右銀のポジショニングとなりますが
中村六段はまず、上図の局面で7筋の歩を突き
飛車のコビンを開くと。。
20手目△7三銀。
上図での持ち駒
▲羽生王座: 角
△中村六段: 角
空いた7三の地点に銀を繰り上げ
先手の出方によって使い分けるべく
「棒銀」と「早繰り銀」を含みとしました。。
23手目▲4七銀。
上図での持ち駒
▲羽生王座: 角
△中村六段: 角
一方の羽生王座は銀を4筋に繰り上げ
「ノーマル角換わり」の定番である「腰掛銀」を指向。
この手をみて、中村六段は。。
24手目△6四銀。
上図での持ち駒
▲羽生王座: 角
△中村六段: 角
銀を6筋に繰り出し
一般的には「腰掛銀」に相性が悪いとされる
「早繰り銀」に敢えて構えました。
27手目▲5六銀。
上図での持ち駒
▲羽生王座: 角
△中村六段: 角
さらに前例を踏襲しながら駒組みは進行し
上図で羽生王座が「腰掛銀」に構えた、次の瞬間。。
28手目△7五歩。
上図での持ち駒
▲羽生王座: 角
△中村六段: 角
中村六段は5分の考慮で、気合一閃
7筋の歩を突き出し、早くも仕掛けを開始しました。。
羽生王座は7分の考慮で▲同歩(29手目)と応じて
以下、△同銀に▲2四歩~△同歩~▲2五歩~△3五歩~
▲2四歩~△2ニ歩をみて、下図37手目▲4五桂と進行。。
37手目▲4五桂。
上図での持ち駒
▲羽生王座: 角
△中村六段: 角
前に出た後手の反動を利用して
羽生王座はすぐに飛車先から反発。。
2筋を押さえ込んでから、桂馬を4筋に跳躍し
こちらも気合十分、機敏に臨戦態勢を整えます。。
42手目△8六銀。
上図での持ち駒
▲羽生王座: 角、歩3
△中村六段: 角、歩2
しかし、中村六段も引く気はないと
「早繰り銀」を斜めに繰り出し飛車先に乗せ
羽生王座に銀交換を要求します。。
羽生王座が3分の少考で注文を受け入れると。。
(43手目▲同銀)
44手目△4五銀。
上図での持ち駒
▲羽生王座: 角、銀、歩3
△中村六段: 角、桂、歩2
中村六段は飛車先に浮いた銀を捕獲せず
反対サイドの銀で桂馬を取り込みました。。
この局面で
午前の対局は終了となり、お昼休憩に突入。。
【 お昼のメニュー 】
羽生王座: 五目ビーフン、オレンジジュース
中村六段: ステーキ御膳、ウーロン茶
46手目△3六桂。
上図での持ち駒
▲羽生王座: 角、銀2、歩3
△中村六段: 角、歩2
午後の対局開始の一手で
羽生王座が銀を取り込むと(45手目▲4五同歩)
中村六段は歩が浮いて出来たスペースへ、すかさず
手にしたばかりの桂馬を投入し飛・金両取りを仕掛けます。
次に、羽生王座が飛車を引いて逃がすと。。
(47手目▲2九飛)
48手目△8六飛。
上図での持ち駒
▲羽生王座: 角、銀2、歩3
△中村六段: 角、銀、歩2
中村六段は飛車を突進させ、銀を捕獲。
先手陣への圧力を矢継ぎ早に高めて行きます。。
52手目△5六飛。
上図での持ち駒
▲羽生王座: 角、銀2、歩
△中村六段: 角、銀2、歩2
前に出た後手の飛車先に
羽生王座が歩を突き立て、移動を勧告すると
中村六段は飛車を横にスライドさせ、そのまま銀を捕獲。。
飛車切りの強手から、いざ勝負に出ました。。
54手目△4八桂成。
上図での持ち駒
▲羽生王座: 飛、角、銀2、歩
△中村六段: 角、金、銀2、歩2
羽生王座が▲同歩(53手目)で飛車を取り込むと
間髪入れずに中村六段は桂馬を後手陣に飛び込ませ
金を捕獲し、王手。中村六段は文字通りに直線一気。。
強引にもみせる指し回しで寄せに入りました。。
逸る後手に対して、カド番でもう後のない羽生王座は
▲同玉(55手目)で桂馬を払うと、次の△4六銀をみて。。
57手目▲3四桂。
上図での持ち駒
▲羽生王座: 飛、角、銀2、歩
△中村六段: 角、金、銀、歩2
受けには回る前に
抜け目なく、手にした桂馬を投入し王手。。
反撃の足場を築きます。。
中村六段は玉を5筋に引いて(58手目△5一玉)
以下、▲6八金~△7一歩に▲9五角をみて
下図62手目▲7三銀と進行。。
62手目△7三銀。
上図での持ち駒
▲羽生王座: 飛、銀2、歩
△中村六段: 角、金、歩
逆に踏み込んだ中村六段が受けに回る展開となり
角の王手を銀の打ち込みで防いだ、上図の局面で
夜戦に備えて夕食休憩と突入となりました。。
【 夕食のメニュー 】
羽生王座
ホールウィートブレッドの
クラブハウスサンドウィッチ、オレンジジュース
中村六段
葉山牛のスペシャルハンバーグステーキ
グレープフルーツジュース。
形勢はまだ互角と見られますが、しかし
ここで手番の羽生王座は次の8三飛が絶好手か。。
ここ数手の指し手をみても、先手に流れを感じますが。。
しかし、両者の戦いはここからのねじり合いが本番。。
夕食休憩明けからの終盤戦は予断を許しません。
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昨日、47回目の誕生日。。
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盟友躍動。。
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王座戦/第3局の余韻、心地よく