オールスター東西対抗戦2021「羽生九段-稲葉八段を振り返ろう」
今回も日曜日に開催されました将棋界の新たな試み
「サントリー 将棋オールスター東西対抗戦2021」の中から
注目の羽生善治九段の対局を振り返らせていただきます。。
2手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲羽生九段: なし
△稲葉八段: なし
東軍のファン投票第1位に輝いた羽生九段は
予選を勝ち上がり出場を果たした稲葉陽八段と対戦。
本局の先手は羽生九段。
その初手は飛車先を突く▲2六歩から。。
対します、稲葉八段も2手目に同じく飛車先を突く
△8四歩と返し、対局はスタート。。
4手目△8五歩。
上図での持ち駒
▲羽生九段: なし
△稲葉八段: なし
次に両者は息を合わせて飛車先を決め
戦型は「相掛かり」となりました。。
12手目△7四歩。
上図での持ち駒
▲羽生九段: なし
△稲葉八段: なし
互いに角頭を金で受け、飛車の横に銀を立てる
すっかりおなじみとなった同形模様の出だしから、さらに
9筋の歩を突き合った後、羽生九段が居玉を解除したのをみて
稲葉八段はここで手を変え、飛車のコビンを開きました。。
この手に対し、羽生九段は。。
13手目▲2四歩。
上図での持ち駒
▲羽生九段: なし
△稲葉八段: なし
すかさず2筋の歩を突き合わせ
自らの飛車先で歩交換を成立させると。。
17手目▲7四飛。
上図での持ち駒
▲羽生九段: 歩2
△稲葉八段: なし
続けて飛車を7筋へと回し
浮いた歩を掠め取り、歩得を確定させました。。
この最近は最近の流行形で、手番の回った稲葉八段は
手順通り、次に△7三銀(18手目)で飛車を追います。。
24手目△8六歩。
上図での持ち駒
▲羽生九段: 歩2
△稲葉八段: なし
先手の飛車を追いつつ
攻撃の銀を6筋の戦場に構えた稲葉八段は
先手が角道を開いたところで(23手目▲7六歩)
自らの飛車先の歩を交換します。。
36手目△4一玉。
上図での持ち駒
▲羽生九段: 歩2
△稲葉八段: 歩
8筋での歩交換成立後、局面は落ち着き
両者は間合いを計りながら自陣の駒組みを進め
5筋の位を張った稲葉八段は上図で居玉を解除し
玉の囲いを目指します。。
49手目▲1五歩。
上図での持ち駒
▲羽生九段: 歩2
△稲葉八段: 歩2
一方の羽生九段は3筋の歩を突き捨て
基点をひとつ作ってから、銀・桂馬を高く構えたところで
1筋の端歩を突き合わせ、先に仕掛けを開始しました。。
稲葉八段は△同歩(50手目)と応じて、以下
▲4六銀~△7六飛~▲6六歩~△5六歩~▲2四歩~
△同歩~▲2三歩~△同金~▲3五銀に△5五角~
▲3八歩をみて、下図62手目△8六歩と進行。。
62手目△8六歩。
上図での持ち駒
▲羽生九段: なし
△稲葉八段: 歩5
稲葉八段は羽生九段の仕掛けを待っていたとばかりに
強く反発、天王山に攻守に利かせて角を投入し形を決めると
上図で先手の角頭から厳しく追撃に出ました。。
69手目▲2四歩。
上図での持ち駒
▲羽生九段: なし
△稲葉八段: 歩5
あっという間に制空権を支配され
後手の攻撃軍の圧倒的なプレッシャーにさらされた
羽生九段は受けていては持たないと攻め合いを決断。。
79手目▲7二飛。
上図での持ち駒
▲羽生九段: 角、歩
△稲葉八段: 飛、金、歩5
羽生九段はそのまま怒涛の寄せに入り
選んでくれたファンのため全力で勝利へと突き進みます。。
が、しかし。。
【 投了図・124手目△7三桂 】
投了図での持ち駒
▲羽生九段: 角、金、銀3、歩4
△稲葉八段: 飛、桂、歩4
機をみて反撃に転じた
稲葉八段の寄せは手厚く、上図の局面をみて
羽生九段はついに力尽き、無念の投了を告げました。。
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