藤井四冠と行く環状線の外側へ。。待ったをかけるべき棋士は | 柔らかい手~個人的将棋ブログ

藤井四冠と行く環状線の外側へ。。待ったをかけるべき棋士は

本日は12月31日、大晦日。

コロナ時代2年目となる2021年も

早いもので最終日を迎えました。。

 

今年の将棋界を振り返れば

一言、19歳となった神童・藤井聡太四冠の本格的な

「一強時代」の幕が開いた年となるでしょうか。

 

6月開幕の棋聖戦では

前期敗れた雪辱を期す最強の挑戦者・渡辺明名人を

寄せ付けず、3連勝のストレート勝利で防衛を達成。

 

続けて豊島将之九段の挑戦を受けた王位戦

立場を入れ替え豊島叡王(当時)に挑戦した叡王戦、そして

同じく豊島竜王(同)に挑戦した「冬の本場所」竜王戦をことごとく

圧倒的な内容で制し、わずか半年で四冠を戴冠した藤井四冠。。

 

今期ここまでの成績は

55戦45勝10敗(.818)。順位戦はB級1組で8勝1敗。

年明けすぐの9日には渡辺王将に挑戦する王将戦開幕を控え

順位戦も「鬼の棲みか」でA級昇格争いのトップに立ちます。

 

かつてのような集団研究ではほぼ核心には迫れず

高価にして超高精度の将棋ソフトを研究パートナーに据える

現代の将棋界において、プロの中でもずば抜けた終盤力を誇る

藤井四冠の独走を止めるのは、誰がどうみても至難の業。。

 

JT杯の決勝で豊島九段が、銀河戦の準決勝で渡辺名人が

それぞれ藤井四冠に一矢を報いましたが、短期決戦での勝利はまだ

イメージできても、番勝負で藤井四冠から星をまとめるイメージは

正直、現段階では全く想像できません。

 

ならばおのずと、将棋界のテーマも

藤井四冠の「8大タイトル制覇」がいつのなるのかに絞られ

むしろ達成された時よりも長い時間を過ごすことになるであろう

「独占後の世界」で果たして何が起るのか。。

 

完全国内完結でタイトル戦線に登場する人材も限られる

小さな将棋界でたった一人の独走を許すのが良いことのはずはなく

まず目指すべきはストップ・藤井四冠。そしてその一番手であるのは

もちろん、渡辺名人であるはずと個人的には思っています。

 

かつて竜王戦で羽生世代が誇る「4人の名人」

羽生善治九段、森内俊之九段、佐藤康光九段、丸山忠久九段を

それぞれ2度ずつ番勝負で蹴散らして前人未到の9連覇を達成し

時代の覇者となった渡辺名人はまだ37歳と脂の乗った指し盛り。

 

両雄が三度、番勝負で雌雄を決する

将棋界に新年の訪れを告げる伝統の王将戦は、いきなり

将棋界の未来を懸けた一大決戦となりました。。