新春お好み対局「藤井王位-里見女流王位を振り返ろう」 | 柔らかい手~個人的将棋ブログ

新春お好み対局「藤井王位-里見女流王位を振り返ろう」

 

 

 

今回は1日付の中日新聞に掲載されました新春恒例

「藤井聡太王位-里見香奈女流王位」のお好み対局の模様を

ご紹介させていただきます。

 

 

 

2手目△8四歩。

 

上図での持ち駒

 

▲里見女流王位: なし

△藤井王位: なし

 

本局の先手は里見女流王位。

その初手でいきなり中央5筋の歩を突き

振り飛車投入を示唆しました。。

 

対します、藤井四冠は

2手目に飛車先を突く△8四歩と返し

こちらは早々と居飛車を明示し対局はスタート。。

 

 

 

7手目▲5八飛。

 

上図での持ち駒

 

▲里見女流王位: なし

△藤井王位: なし

 

互いのポリシーを強く反映する出だしから

里見女流王位は上図の局面で飛車に手をかけると

位を張った5筋へと振り、長年に渡り愛用している

十八番の「ゴキゲン中飛車」を投入しました。。

 

 

 

11手目▲3八玉。

 

上図での持ち駒

 

▲里見女流王位: なし

△藤井王位: なし

 

戦型が「対抗形」に決まったところで

両者は息を合わせて居玉を解除し、玉の囲いを目指しますが。。

 

 

 

23手目▲6六銀。

 

上図での持ち駒

 

▲里見女流王位: なし

△藤井王位: なし

 

囲いを完成する前に

後手に続けて先手も銀を6筋の戦場へと繰り出し

盤上には「銀対抗」形が描き出されました。。

 

ここで手番の回った藤井王位は、次に

玉の頭上へもう一枚の銀を繰り上げ(24手目△3三銀)

流れを見ながら攻守での活用を目指します。。

 

すると、次の瞬間

 

 

 

25手目▲5五歩。

 

上図での持ち駒

 

▲里見女流王位: なし

△藤井王位: なし

 

里見女流王位は飛車先で歩をぶつけ

挨拶代わりに軽く仕掛けを開始しました。。

 

が、しかし。。

 

 

 

34手目△6五桂。

 

上図での持ち駒

 

▲里見女流王位: 歩

△藤井王位: 歩

 

5筋での歩交換成立後

自陣に手を戻し、手堅く「美濃囲い」を完成させた

里見女流王位に対して、その間に左の銀も戦場に構えた

藤井王位は好所へ桂馬を跳ね上げ、強く反撃に転じます。。

 

里見女流王位は▲6八角(35手目)とかわして、以下

△8六歩~▲同歩~△5五銀左~▲同銀~△同銀をみて

▲7七桂~△6四銀~▲6五桂~△同銀~▲7八金に

△5六桂~▲5七角~下図48手目7七銀と進行。。

 

 

 

48手目△7七銀。

 

上図での持ち駒

 

▲里見女流王位: 銀、桂、歩2

△藤井王位: 歩

 

藤井四冠は盤中央で気持ちよく駒を捌いてから

駒を回転させて畳み掛け、攻防の主導権を握ります。。

 

 

 

67手目▲1四歩。

 

上図での持ち駒

 

▲里見女流王位: 歩

△藤井王位: 歩4

 

あっという間に大駒を自陣に押さえ込まれた

里見女流王位は小駒を利かせて反撃しますが

上図から次に、藤井四冠は4筋の歩を突き出し

先手の銀を追い払うと(68手目△4四歩)。。

 

 

 

72手目△5四銀。

 

上図での持ち駒

 

▲里見女流王位: 歩2

△藤井王位: 歩4

 

藤井四冠はあっさりと

銀で憂いの歩を捕獲し、盤上を制圧しました。。

 

新春お好み対局の棋譜はこちら

 

 

【 投了図・106手目△2三玉 】

 

 

投了図での持ち駒

 

▲里見女流王位: 銀2、歩4

△藤井王位: 桂、歩4

 

里見女流王位は攻守に渾身の粘りで食らいつきますが

磐石の藤井王位はつけ入る隙を一切与えず、上図の局面で

里見女流王位はついに力尽き、無念の投了を告げました。。