王将戦/第2局は藤井竜王が封じ手。。第7期叡王戦・九段戦/決勝「匠の快勝、藤井九段が本戦進出」
本日、大阪で行われました
第71期王将戦7番勝負/第2局・一日目は
57手目の局面で、後手番の藤井聡太竜王が
次の手を封じて、二日目へと指し掛けに。。
戦型は「角換わり相早繰り銀」
盤上はすでに終盤戦模様に突入していますが
「封じ手」局面の形勢は後手良さ気。。
明日は決着の二日目。。
ガイドラインに従いつつ静かな期待が高まります。。
さて、今回は昨日行われました
第7期叡王戦・九段戦予選/決勝で実現した好カード
「藤井猛九段-南芳一九段」の模様を振り返ります。。
3手目▲6六歩。
上図での持ち駒
▲藤井九段: なし
△南九段: なし
本局の先手は藤井九段。
その初手は飛車先を突く▲2六歩から。。
対します、南九段も2手目に同じく角道を開く
△3四歩と返し、対局はスタート。。
続く3手目に
開いたばかりの角道を止め、振り飛車投入を示唆した
藤井九段は次に、南九段が居飛車を明示したのをみて。。
(4手目△8四歩)
5手目▲6八飛。
上図での持ち駒
▲藤井九段: なし
△南九段: なし
飛車に手をかけ、6筋へと振り
代名詞である「四間飛車」をと投入しました。。
15手目▲5八金左。
上図での持ち駒
▲藤井九段: なし
△南九段: なし
戦型が「対抗形」に決まったところで
南九段は居玉を解除し、玉の囲いを目指しますが
藤井九段は同調せず、居玉のまま自陣の駒組みを進める
現代将棋の金字塔「藤井システム」を発動しますが。。
23手目▲2八玉。
上図での持ち駒
▲藤井九段: なし
△南九段: なし
手の流れによって、そこは臨機応変に。。
後手が飛車先を決めたのをみて(18手目△8五歩)
藤井九段は居玉を解除すると、そのまま一直線に
「美濃囲い」の中へ玉を入城させました。。
40手目△6五歩。
上図での持ち駒
▲藤井九段: なし
△南九段: なし
先手は金を後手は銀を4筋の戦場へ構えて司令塔に据え
持久戦模様のじっくりとした進行から間合いを詰め合う両者。。
南九段は上図の局面で、飛車を合わせた6筋の歩を突き合わせ
来るべき開戦へ向け、軽く模様を動かします。。
54手目△1二香。
上図での持ち駒
▲藤井九段: なし
△南九段: 歩
6筋での歩交換成立後
両者は呼吸を合わせて飛車を7筋に合わせると
先手が「銀冠」に組み変えたのをみて(53手目▲2七銀)
南九段は1筋の香車を繰り上げ「穴熊」を明示しました。。
すると、次の瞬間
55手目▲1五歩。
上図での持ち駒
▲藤井九段: なし
△南九段: 歩
藤井九段は機敏に1筋の歩を突き合わせ
「穴熊」攻略の筋である端から仕掛けを開始します。。
南九段は△同歩(56手目)と応じて、以下
▲5五歩~△同歩~▲2五桂~△2四角に▲5五銀~
△6一飛~▲4四銀~△同歩~▲6二銀~△4一飛をみて
下図67手目▲5八飛と流れるように進行。。
67手目▲5八飛。
上図での持ち駒
▲藤井九段: 歩
△南九段: 銀、歩3
軽快に駒を捌いて主導権を握った
藤井九段はガラ空きの5筋に飛車を合わせて
鮮やかに、敵陣突破の道をつけます。。
一方、瞬く間に自陣を切り崩された
南九段は次に、△3三銀(68手目)と繰り上げ
同じく素通しだった先手の角の突進を防ぎますが。。
73手目▲1三歩。
上図での持ち駒
▲藤井九段: なし
△南九段: 歩4
藤井九段は悠然と、3筋の歩を突き捨ててから
飛車の敵陣突破を実現すると(71手目▲5二飛成)
起点の1筋に激痛の叩きを入れて畳み掛けます。。
91手目▲1四香。
上図での持ち駒
▲藤井九段: 歩2
△南九段: 歩3
終盤戦も藤井九段の独壇場。。
桂馬を捌いて手にした香車を1筋に重ねると
大きな模様で後手に反撃の余地を与えることなく
端から踏み込み、勝負を決めに行きます。。
【 投了図・119手目▲5一飛 】
投了図での持ち駒
▲藤井九段: 香、歩2
△南九段: 角、金、銀、桂、歩3
気持ちよく駒を回転させるカリスマを前に
鍛えの入ったベテラン・南九段も為す術なく
上図の局面をみて、無念の投了を告げました。。
匠の技が随所に冴え渡り
快勝を飾った藤井九段が気持ちよく
本戦進出を決めました。。
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