豪腕沸騰。。魂の七番勝負/第3局「行方八段-藤井四段を振り返ろう」
今春、AbemaTVにて放送され大好評を博しました
神童・藤井聡太四段がトップ棋士に挑む「炎の七番勝負」。
その後継企画として、現在行われているのが
若手棋士がトップ棋士に挑む「魂の七番勝負」。。
今回はその中から
先週の土曜日(14日)に放送注されました目の第3局
「行方尚史八段-藤井聡太四段」の模様を振り返ります。
2手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲行方八段: なし
△藤井四段: なし
先手は行方八段。
非公式戦とは言え、A級棋士の名にかけて
絶対に負けられない神童との初手合いの初手は
角道を開く▲7六歩から。。
対します、藤井四段は2手目に
飛車先を突く8四歩と返し、対局はスタート。。
早々と居飛車を明示し
戦型の選択権を先手に委ねた後手に対して
居飛車本格正統派・行方八段の作戦が明らかとなる
次の3手目は。。
3手目▲6八銀。
上図での持ち駒
▲行方八段: なし
△藤井四段: なし
行方八段は3手目▲6八銀とし
将棋の看板戦法「矢倉」での勝負を指向しました。
17手目▲2五歩。
上図での持ち駒
▲行方八段: なし
△藤井四段: なし
早囲い調に駒組みを進める
行方八段は上図で飛車先を決めると
次に、藤井四段が7筋の歩を突いたのをみて。。
(18手目△7四歩)
19手目▲2四歩。
上図での持ち駒
▲行方八段: なし
△藤井四段: なし
本局への意気込みを投影するかのように
飛車先の歩を突き合わせ、早々と仕掛けます。。
25手目▲7八金。
上図での持ち駒
▲行方八段: 歩
△藤井四段: なし
飛車先の歩を切った行方八段は
居玉にして居角のまま、「矢倉囲い」を完成。。
すると、藤井四段は上図から次に。。
26手目△6ニ飛。
上図での持ち駒
▲行方八段: 歩
△藤井四段: なし
飛車に手をかけると
6筋へと振り、「右四間飛車」に構えました。。
33手目▲7四歩。
上図での持ち駒
▲行方八段: 歩2
△藤井四段: なし
しかし、いつになく積極的な行方八段は
7七の地点に構えた銀を引き下げ(27手目▲6八銀)
角筋を軽くしてから、頭の丸い後手の桂馬を標的に
7筋から突っかけます。。
39手目▲6九玉。
上図での持ち駒
▲行方八段: 歩
△藤井四段: 歩
行方八段は6筋の位を確保すると
それぞれ二枚の金・銀を格調高く連結し、居玉を解除。
事前研究をうかがせるとともに、いかにも行方八段らしい
美意識あふれる模様を盤上に描き出します。。
52手目△7七歩。
上図での持ち駒
▲行方八段: 歩2
△藤井四段: 歩
居飛車の本格正統派の系譜を受け継ぐ
藤井四段は先手の趣向にも動じることなく
自然な駒組みで間合いを計ると、飛車先を受けず
さらには桂頭の歩も払わず、上図で強く応戦。。
行方八段も一歩も引かずに
桂馬を取り切り(53手目▲7三歩成)、以下
△7八歩成~▲同玉~△3三角~▲2八飛~△5五歩に
▲6三「と」金~△同飛をみて、下図61手目▲2ニ歩と進行。。
61手目▲2ニ歩。
上図での持ち駒
▲行方八段: 銀、桂、歩2
△藤井四段: 金、銀、歩2
互いにわが道を行く激しい進行となり
行方八段の歩の叩きを合図に、いざ開戦へ。。
69手目▲2四同飛。
上図での持ち駒
▲行方八段: 角、銀、桂、歩3
△藤井四段: 金、銀、歩
手に乗り主導権を握ったのは、行方八段。
上図で角との交換で飛車を切り、勝負に出ます。。
そのままいい感じで先手がペースを握ったかに
思われましたが。。。しかし
86手目△7七飛成。
上図での持ち駒
▲行方八段: 角、金、銀、歩4
△藤井四段: 角、金、桂、歩2
藤井四段は土俵際から怒涛の反撃。。
猛烈な勢いで先手玉に迫り、力づくで形勢を引き戻します。。
【 投了図・132手目△7五角 】
投了図での持ち駒
▲行方八段: 飛2、角、銀、桂、歩4
△藤井四段: 金、歩2
終盤の粘りには定評のある行方八段ですが
唸りを上げた藤井四段の豪腕の前に、為す術なく
上図の局面で無念の投了を告げました。
A級棋士を力づくでねじ伏せた藤井四段が
あらためてそのポテンシャルをみせつける
見事な勝利を飾りました。
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勝率9割到達目前。。
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女流将棋界では旬の番勝負開幕
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応援棋士も順位戦で大活躍!
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秋の陣に決着。。
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藤井四段激戦譜(炎の七番勝負など)