連勝街道ばく進。。第11回朝日杯・二次予選/決勝「阿久津八段-永瀬七段は相掛かり」
第11回朝日杯将棋オープン中継サイト
二次予選トーナメント表
本日行なわれています、第43期棋王戦・敗者復活戦/決勝
「三浦弘行九段-黒沢怜生五段」は午後4時過ぎに千日手成立。
三浦九段の先手で指し直しとなりました。
結果が大いに気になりますが、先に本戦優勝を決め
決勝二番勝負で待ち受ける、次世代のオンリーワン
永瀬拓矢七段も本日公式戦に登場。
第11回朝日杯の二次予選に臨みました。
4手目△8五歩。
上図での持ち駒
▲阿久津八段: なし
△永瀬七段: なし
午前に行なわれた1回戦で
重戦車・橋本祟載八段に勝利した永瀬七段は
午後からの決勝で阿久津主税八段と対戦。。
先手は阿久津八段。
その初手は飛車先を突く▲2六歩から。
対します、永瀬七段も2手目に同じく飛車先を突く
△8四歩と返し、対局はスタート。。
次に両者は息を合わせて飛車先を決め
戦型は早々と「相掛かり」に決定しました。。
9手目▲2四歩。
上図での持ち駒
▲阿久津八段: なし
△永瀬七段: なし
互いに角頭を金で受けてから右の銀を立てる
同形模様の出だしで迎えた上図の局面でまず
阿久津八段が飛車先の歩を突き合わせます。。
16手目△3四歩。
上図での持ち駒
▲阿久津八段: 歩
△永瀬七段: なし
以下、△同歩~▲同飛~△2三歩の進行で
一歩を手にして飛車先を切った阿久津八段は
浮かせた飛車を元居た場所まで引き下げます。。
(13手目▲2八飛)
ここで手番の回った永瀬七段は
自らの飛車先8筋で歩の交換を急がず
9筋の端歩を突いてから、角道を開きました。
この手をみて
阿久津八段は、次に。。
17手目▲2七銀。
上図での持ち駒
▲阿久津八段: 歩
△永瀬七段: なし
飛車の頭上に銀を乗せ、先手の主流である
「引き飛車棒銀」に構えました。
すると、次の瞬間。。
18手目△8六歩。
上図での持ち駒
▲阿久津八段: 歩
△永瀬七段: なし
永瀬七段は先手の作戦が明示された
このタイミングで、飛車先の歩を切りに出ます。
32手目△7四飛。
上図での持ち駒
▲阿久津八段: 歩
△永瀬七段: 歩
互いに飛車先の歩を切り、一歩を手にすると
水面下で駆け引きしながら、駒組みが粛々と進行。。
両サイドの端歩を丁寧に突き合ってから
上図の局面で、永瀬七段は8筋に浮かせた飛車を
歩の浮いた7筋へと移動させました。。
33手目▲3三角成。
上図での持ち駒
▲阿久津八段: 角、歩
△永瀬七段: 歩
この手をみて、阿久津八段は
10分の考慮の後、ズバッと角交換を敢行。
重荷となりそうな角を捌くと。。
35手目▲8ニ角。
上図での持ち駒
▲阿久津八段: 歩
△永瀬七段: 角、歩
交換した角をすぐさま敵陣に投入。
8筋の狭い地点に打ち込み、香取りを狙います。。
46手目△3八歩。
上図での持ち駒
▲阿久津八段: 歩2
△永瀬七段: 角
しかし、永瀬七段は香取りを許さず。
先手の馬を堅牢に閉じ込めると、上図で嫌らしく
先手陣に歩を垂らし、反撃の下味をつけました。。
48手目△2七角。
上図での持ち駒
▲阿久津八段: 歩3
△永瀬七段: なし
阿久津八段が▲同飛で応じると
永瀬七段はすかさず手持ちの角を投入。
阿久津飛車のコメカミを捉え、反撃を開始します。。
阿久津八段は▲2八飛(49手目)とかわし、以下
△4九角成~▲7六歩~△1三銀~▲6八金左~△2四歩に
▲1七桂~△1六馬~▲9七桂~△2五歩~▲8五桂をみて
下図60手目△2六歩と進行。。
60手目△2六歩。
上図での持ち駒
▲阿久津八段: 歩2
△永瀬七段: 歩
後手も馬を作ると、局面は慌しくなり
阿久津八段は桂馬の連続跳躍で何が何でも
9筋の香車を取りこみで掛かりますが、永瀬七段は
どこ吹く風と阿久津飛車の押さえ込みを図ります。。
69手目▲2五桂。
上図での持ち駒
▲阿久津八段: 桂、香、歩2
△永瀬七段: 歩
桂馬の意気のいい飛込みで(61手目▲9三桂成)
香車と桂馬を捕獲した上に馬の通りも俄然良くなった
阿久津八段は押さえ込まれた飛車先にオリジナルの
桂馬を跳ね上げ、ギリギリの反撃開始。。
永瀬七段は△同馬(70手目)で桂馬を払うと
阿久津八段も文句は無しと飛車を突進(71手目▲同飛)
大駒の交換が成立し、いざ終盤戦へと突入します。。
89手目▲5三桂成。
上図での持ち駒
▲阿久津八段: 歩3
△永瀬七段: 歩
阿久津八段は自陣に戦力を集中投下し
強大な要塞を築いてから、桂馬が敵陣に飛び込み
力づくでねじ伏せに掛かりますが。。
【 投了図・104手目△8九角 】
投了図での持ち駒
▲阿久津八段: 銀、桂、歩3
△永瀬七段: 金、桂、歩3
双方、持ち時間を使い切っての
壮絶な打ち合いを制したのは、永瀬七段でした。
大駒、小駒を巧みに連動させながら先手陣を取り崩して
角の王手を掛けた上図の局面で阿久津八段、無念の投了。。
激戦を制した永瀬七段は、これで公式戦13連勝。
今期の勝率も8割を超える圧倒的な成績で(30勝6敗)
堂々の本戦出場を決めました。
□□□
美しき挑戦者、揃い踏み。。
気高く、美しい挑戦は年をまたいで
□□□
棋王戦の大一番を前に。。
□□□
永世七冠達成の興奮はさめず。。
□□□
前人未到空前絶後の偉業達成!
竜王戦/第5局・一日目の所感。。
世紀の決戦、舞台は鹿児島。。
将棋の代名詞・羽生棋聖の現在地
□□□
前哨戦の先に見据えるものは。。
□□□
羽生棋聖、悲願の竜王奪取に王手!
竜王戦/第4局終局直後の感想
竜王戦/第4局・一日目の所感。。
第4局の舞台は新潟