無頼な剣豪健在。。第６７回ＮＨＫ杯/準々決勝「菅井王位－郷田九段を振り返ろう」
今回は昨日放送されました
第６７回ＮＨＫ杯将棋トーナメント/準々決勝
注目の「菅井竜也王位－郷田真隆九段」の模様を
振り返らせていただきます。。
２手目△３四歩。
上図での持ち駒
▲菅井王位： なし
△郷田九段： なし
先手は菅井王位。
その初手でいきなり中央５筋の歩を突いて
振り飛車投入を示唆しました。。
この手をみて、居飛車の本格正統派
郷田九段は２手目に角道を開く△３四歩と返し
含みを持たせて対局はスタート。。
すると、続く３手目に。。
３手目▲５八飛。
上図での持ち駒
▲菅井王位： なし
△郷田九段： なし
菅井王位は飛車に手を掛け、５筋へと振り
得意の「中飛車」を投入しました。。
早々と作戦を明示した先手に対して
郷田九段は１筋の端歩を突き（４手目△１四歩）
一息入れると、菅井王位が端歩を受けたのをみて。。
（５手目▲１六歩）
６手目△３ニ飛。
上図での持ち駒
▲菅井王位： なし
△郷田九段： なし
郷田九段も飛車に手を掛け、３筋へと振り
「三間飛車」を投入。戦型は「相振り飛車」となりました。
１１手目▲９六歩。
上図での持ち駒
▲菅井王位： なし
▲郷田九段： なし
角道を開けてから５筋の位を確保した
菅井王位にはアマチュアにも人気高い戦型
「中飛車穴熊」投入の期待が高まりましたが
しかし、上図で９筋の端歩を突く趣向を披露。。
１６手目△７ニ銀。
上図での持ち駒
▲菅井王位： なし
△郷田九段： なし
郷田九段は９筋の端歩を受けると
居玉のまま自陣の右側に「美濃囲い」を築き
玉を淡々と左サイドに寄せる先手の駒組みに
注意を払います。。
２２手目△５ニ飛。
上図での持ち駒
▲菅井王位： なし
△郷田九段： なし
菅井流の複雑な序盤戦術に対し
郷田九段は右の銀を繰り上げ（２０手目△７三銀）
急戦投入をみせると、菅井王位が飛車を浮かせたのをみて
再び飛車に手をかけ、先手と同じ５筋へと振り直しました。。
３２手目△５四歩。
上図での持ち駒
▲菅井王位： なし
△郷田九段： なし
序盤から定跡を離れ、手将棋模様となると
上図の局面で郷田九段が５筋の歩を突き合わせ
飛車が向き合う中央から、戦端を開きました。。
菅井王位は▲同歩（３３手目）と応じて、以下
△同銀に▲３五歩～△同歩～▲７九角～△７三桂～
▲３五角～△３四歩をみて、下図４１手目▲２六角と進行。。
４１手目▲２六角。
上図での持ち駒
▲菅井王位： 歩２
△郷田九段： 歩
５筋での交換成立後
菅井王位はすぐに反発、３筋で歩を交換しつつ
角のラインを変えました。。
４５手目▲１五歩。
上図での持ち駒
▲菅井王位： 歩２
△郷田九段： 歩
互いに我が道を行く両者は自陣を引き締めてから
郷田九段が桂馬を跳ねて銀取りをかけるも（４４手目△６五桂）
菅井王位は構うことなく、１筋の端歩を突き合わせます。。
この手をみて
無頼な剣豪・郷田九段は。。
４６手目△７五歩。
上図での持ち駒
▲菅井王位： 歩２
△郷田九段： 歩
銀と取るでも、端歩を取り込むでもなく
ジッと７筋の歩を突き出し、無言の圧力を加えました。。
この手をみて、菅井王位が１筋の歩を突き越すと。。
（４７手目▲１五歩）
４８手目△７七桂成。
上図での持ち駒
▲菅井王位： 歩３
△郷田九段： 銀、歩
郷田九段は桂馬をヒラリと跳躍。。
銀を捕獲し、敵将の頭上に着地させる王手から
いざ、開戦を告げました。。
すると。。
５６手目△３五銀。
上図での持ち駒
▲菅井王位： 桂、歩２
△郷田九段： 歩
郷田九段の手がグングンと伸びて
先手陣を押さえ込み、攻防の主導権を握りました。。
６３手目▲３三同飛成。
上図での持ち駒
▲菅井王位： 角、銀、桂、歩２
△郷田九段： 角、歩２
一方、形勢を損ねた菅井王位は大駒を捌き
スクランブル態勢で局面を動かしに出ますが。。
８４手目△２四角。
上図での持ち駒
▲菅井王位： 飛、銀、歩
△郷田九段： 角、香、歩２
妥協無き踏み込みとともに
粘りの利いた受けの強さに定評のある郷田九段は
その持ち味を存分に発揮し、つけ入る隙を与えることなく
若き王位の猛攻をガッチリと受けて立ちます。
１０５手目▲４ニ香成。
上図での持ち駒
▲菅井王位： 金２、歩
△郷田九段： 飛、角、銀、桂２、歩２
勝利への執念を燃やす菅井王位は
最善を尽くし、最後まで食らいつきますが。。
【 投了図・１１２手目△７七銀 】
投了図での持ち駒
▲菅井王位： 金、歩
△郷田九段： 飛、角、桂、香
その全てを凌いだ郷田九段は、一刀両断。
先手玉の頭上に銀をドスンと打ち込んだ上図の局面で
菅井王位は為す術なく、無念の投了を告げました。。
難解な将棋を持ち味発揮で見事制した
郷田九段は４年ぶりの優勝へ威風堂々、準決勝進出。
関西からの刺客にして力戦派の英雄・山崎隆之八段と
決勝戦進出を懸けて激突します。。
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年度末の明暗くっきり。。
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舞台は棋王戦の聖地・北國新聞会館
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渡辺棋王は絶不調。。
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羽生竜王は新たな第一歩
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王将戦/第４局・一日目の所感
舞台は尼崎。。
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美しき挑戦は叶わず。。
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