勝負は一瞬。。第4期叡王戦・九段戦/1回戦「屋敷九段-三浦九段を振り返ろう」 | 柔らかい手~個人的将棋ブログ

勝負は一瞬。。第4期叡王戦・九段戦/1回戦「屋敷九段-三浦九段を振り返ろう」

第4期叡王戦公式HP

段位別予選トーナメント表

 

 

 

今回は先週の土曜日(23日)に行なわれました

第4期叡王戦の九段戦予選トーナメント/1回戦の注目カード

「屋敷伸之九段-三浦弘行九段」の模様を振り返ります。。

 

 

 

2手目△8四歩。

 

上図での持ち駒

 

▲三浦九段: なし

△屋敷九段: なし

 

先手は三浦九段。

その初手は角道を開く▲7六歩から。。

対します、屋敷九段は2手目に飛車先を突く

△8四歩と返し、対局はスタートとなりました。。

 

早々と居飛車を明示した屋敷九段に対し

三浦九段の意向が明らかとなる、次の3手目は。。

 

 

 

3手目▲2六歩。

 

上図での持ち駒

 

▲三浦九段: なし

△屋敷九段: なし

 

三浦九段は3手目▲2六歩として

「角換わり」での勝負を指向しました。。

 

 

 

7手目▲6八銀。

 

上図での持ち駒

 

▲三浦九段: なし

△屋敷九段: なし

 

屋敷九段も「角換わり」に異存なし。。

そのまま定跡手順の進行となり、迎えた上図の局面で

三浦九段は銀を6筋に繰り上げて、後手からの角交換

あるいは角交換拒否に備えると。。

 

 

 

8手目△7七角成。

 

上図での持ち駒

 

▲三浦九段: なし

△屋敷九段: 角

 

屋敷九段は躊躇なく角交換を敢行。。

手損のない「ノーマル角換わり」となりました。。

 

 

 

15手目▲4六銀。

 

上図での持ち駒

 

▲三浦九段: 角

△屋敷九段: 角

 

角交換成立後

三浦九段は居玉まま銀を中央へと繰り出す動きをみせ

「ノーマル角換わり」の常套手段「腰掛銀」を目指します。。

 

 

 

18手目△7四歩。

 

上図での持ち駒

 

▲三浦九段: 角

△屋敷九段: 角

 

一方、屋敷九段は

先に居玉を解除してから(16手目△4ニ玉)

飛車のコビンを開き、得意の急戦投入を示唆します。。

 

 

 

29手目▲1六歩。

 

上図でも持ち駒

 

▲三浦九段: 角

△屋敷九段: 角

 

屋敷九段は7三の地点に銀を構えると

態度を保留したまま、自陣の駒組みを進めます。。

 

対します、三浦九段は

あくまでも居玉のまま、駒を盛り上げると

上図で9筋の端歩を突き、手番を後手に渡しました。。

 

この手をみて

屋敷九段が飛車先に銀を乗せ(30手目△8四歩)

シンプルながらも破壊力抜群の「棒銀」に構えると。。

 

 

 

31手目▲4五桂。

 

上図での持ち駒

 

▲三浦九段: 角

△屋敷九段: 角

 

三浦九段は右の桂馬を戦場へと跳躍。。

後手の銀に当て、仕掛けを開始しました。。

 

屋敷九段は△4四銀(32手目)とかわして、以下

▲2四歩~△同歩~▲同飛~△2三歩~▲2九飛に

△7五歩に▲3五歩~△同歩~▲7五歩をみて

下図42手目△同銀と進行。。

 

 

 

42手目△7五同銀。

 

上図での持ち駒

 

▲三浦九段: 角、歩2

△屋敷九段: 角、歩2

 

三浦九段が飛車先の歩を切ったところで

屋敷九段も反撃に転じ、飛車先の銀を前に出し

先手への圧力を強めて行きますが。。

 

 

 

43手目▲3三歩。

 

上図での持ち駒

 

▲三浦九段: 角、歩

△屋敷九段: 角、歩2

 

ここ数年でより攻撃的な棋風へと進化を遂げた

三浦九段は受けには回らず、敵陣3筋を歩で叩き

さらなる攻勢へと加速します。。

 

 

 

53手目▲3三銀。

 

上図でも持ち駒

 

▲三浦九段: 角

△屋敷九段: 角、桂2、歩4

 

テキパキと駒を回転させながら

手番を握る三浦九段は、起点に据えた3筋から

鋭く敵陣に絡みつき、終盤戦突入を告げました。。

 

 

 

66手目△6五角。

 

上図での持ち駒

 

▲三浦九段: 歩

△屋敷九段: 銀、桂、歩6

 

攻め込まれた屋敷九段ですが、しかし

落ち着いた指し回しで形勢を手放すことなく

先手が寄せに入った上図では、攻防の角を投入。。

 

いまだ居玉で陣形が不安定な

先手もイケイケでの攻めは難しくなってきた

急所の局面で、三浦九段に痛恨の疑問手が。。

 

 

 

67手目▲5六歩。

 

上図での持ち駒

 

▲三浦九段: 歩

△屋敷九段: 銀、桂、歩6

 

代えて▲2六飛と浮いて受ける手が有力でしたが

三浦九段は5筋の歩を突き、後手の攻め駒を呼び込みます。

 

屋敷九段はすかさず△同銀(68手目)と応じて、以下

▲3ニ歩~△同玉~▲6六銀~△4七銀成~▲6五銀に

△5七銀をみて、下図74手目△5七銀と進行。。

 

 

 

74手目△5七銀。

 

上図での持ち駒

 

▲三浦九段: 角

△屋敷九段: 銀、桂、歩8

 

三浦九段は後手の角を食いちぎりますが。。

しかし、その間に屋敷九段は敵将の頭上を制圧。。

一連の攻防で先手玉は寄り筋に入りました。。

 

「屋敷九段-三浦九段」の棋譜中継はこちら

 

 

【 投了図・94手目△6七銀 】

 

 

投了図での持ち駒

 

▲三浦九段: 金、銀

△屋敷九段: 金2、桂、歩9

 

直後に、三浦九段は後手玉に猛然と襲い掛かりますが

一度崩れた均衡を引き戻すには至らず、上図の局面で

無念の投了を告げました。。

 

気心の知れた研究仲間でもある両者。

それだけに負けられない、負けたくない対決は

終始、落ち着いた指し回しで形勢を引き寄せた

屋敷九段に凱歌が上がりました。。

 

 

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Aブロックは本命が突破。。

 

AbemaTVトーナメント「橋本八段が2位で本戦へ」

 

 

オリジナルルールが大好評!

 

AbemaTVトーナメントは「Aブロック2位決定戦」

 

 

 

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名人戦/第6局終局直後の印象。。

 

納得と、切なさと。。

 

名人戦/第6局・一日目の所感

 

均衡の最中。。

 

 

舞台は将棋のまち、天童にて。。

 

名人戦/第6局開幕前夜。。

 

 

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いきなり藤井七段登場、そして衝撃。。

 

 AbemaTVトーナメント開幕

 

 

 

 

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棋聖戦/第2局終局直後の印象

 

うっかりもさばさばと。。

 

棋聖戦/第2局開幕前夜

 

 

  

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