運命の大一番。。明日、第89期ヒューリック杯棋聖戦5番勝負/第4局開幕
前人未到の11連覇を目指す羽生善治棋聖に
豊島将之八段が挑戦する、第89期棋聖戦5番勝負。
ここまで3局を消化し、豊島八段が2勝1敗とリード。
悲願に初タイトル奪取へ王手をかけて迎える大一番
第4局が明日、新潟県新潟市「高島屋」にて開幕。。
羽生棋聖の今期ここまでの成績は14戦5勝9敗(.357)。
佐藤天彦名人に挑戦した名人戦は2勝4敗の成績で敗退。。
続く棋聖戦もカド番に立たさ、苦しい戦いが続きます。。
名人戦の間には
王座戦の本戦/1回戦で深浦康市九段の前に早々と敗れ
17連覇を含む番勝負連続出場記録が「26」でストップ。。
さらに、棋聖戦の開幕2日前に行なわれた
王位戦の挑戦者決定戦で、豊島将之八段に完敗を喫し
挑戦権を逃したばかりか、棋聖戦の出鼻を挫かれるなど
痛恨にして重い黒星がこれでもかと連なる今シーズン。。
6月16日に行なわれた
棋聖戦/第2局で公式戦の連敗を「5」で止めるも
その後2連敗中と、浮上の兆しをなかなかつかめず
絶対王者はもがき苦しみます。。
今期喫した黒星の大半は
佐藤名人、そして豊島八段という秀英から。。
(佐藤名人には2勝4敗。豊島八段には1勝3敗)
ともに研究将棋の代名詞である
「横歩取り」と「角換わり」に主戦を据え、一度形に嵌まると
トップ棋士が相手でも逃さずほぼ一本道で寄り切ってみせる
両雄の圧倒的な完成度は羽生棋聖にとっても大きな脅威。。
しかし、それ以上に大きなダメージを残したのが
ともに後手番で、2手目△6ニ銀と意表を突いた名人戦/第6局と
プロの試合ではほとんどお目にかかれない「袖飛車の奇襲を採用した
棋聖戦/第3局での完敗。。
早い段階から定跡を離れて力将棋に持ち込み
終盤の捻じり合いに勝負を懸けるという、羽生棋聖の覚悟が
痛いほど伝わりましたが、しかし、若き秀英たちは全く動じることなく
手厚い指し回しで危なげなく勝利を飾り、その実力をみせつけます。。
勝負を分けているのは、研究だけにあらず。。
あらためて突きつけられた事実が示す未来は、果たして。。
これまで自らの前に立ちはだかった強敵から目を逸らすことなく
常に真っ向勝負を挑み、負けても負けても立ち上がり、最後には
ひとりの残らず息の根を止め、常に頂点に君臨し続ける絶対王者
羽生棋聖が再び向かえた正念場に、緊張と熱い想いが交錯します。
対します、純然たる挑戦者
豊島八段の今期ここまでの成績は19戦13勝6敗(.684)。
順位戦はA級でライバルの稲葉陽八段に勝利し開幕白星発進。
棋聖戦と平行して挑戦する王位戦は菅井竜也王位の前に黒星発進。
若干16歳にして、将棋界初の「平成生まれのプロ棋士」となって以来
常に高い勝利を安定してキープするも、なかなかタイトルに手が届かず。
同世代のライバルである佐藤名人や糸谷哲郎八段に先をこさせるなど
悔しい思いを重ねましたが、今シリーズは悲願達成の大きなチャンス。。
誠実で実直な性格も相まって将棋界屈指の人気を誇る
28歳となった秀英は5度目のタイトル挑戦でいよいよ結果を残すか。。
将棋ファンからの大きな期待と注目を背に、大一番に挑みます。。
【 棋聖戦/第1局 】
6月6日(水)
兵庫県洲本市「ホテルニューアワジ」にて。
戦型は「角換わり相腰掛銀」。
99手までで、先手・豊島八段が勝利。
【 投了図・99手目▲6ニ金 】
投了図での持ち駒
▲豊島八段: 金、歩4
△羽生棋聖: 金
【 第2局 】
6月16日(土)
東京都港区「グランドニッコー東京 台場」にて。
戦型は相居飛車力戦(豊島八段の角換わり拒否から)
81手までで、先手・羽生棋聖が勝利。
【 投了図・81手目▲4ニ金 】
投了図での持ち駒
▲羽生棋聖: なし
△豊島八段: 角、桂、歩
【 第3局 】
6月30日(土)
静岡県沼津市「沼津倶楽部」にて。
戦型は力戦(羽生棋聖が袖飛車投入)
145手までで、、先手・豊島八段が勝利。
【 投了図・145手目▲同玉 】
投了図での持ち駒
▲豊島八段: 飛、角、金、銀2、桂2、歩6
△羽生棋聖: 飛、金、銀、歩
ここまで全て先手が勝利をおさめて迎える
明日の大一番・第4局は、羽生棋聖が先手となります。
気になる両者の対戦成績は
ここまで25戦して、羽生棋聖の13勝12敗と拮抗。。
豊島八段が悲願のタイトル奪取を達成するのか。。
羽生棋聖が踏ん張り、決着は最終戦までもつれ込むのか。。
将棋界の未来を占う大一番、棋聖戦/第4局は必見です!
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華やかな戦いすんで。。
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王位戦/第1局終局直後の感想。。
王位戦/第1局・一日目の所感
開幕戦の舞台は豊田市
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棋聖戦/第3局終局直後の感想。。
舞台は静岡、沼津決戦。。