防災入門 / 06 避難

06 · Evacuation

避難の判断と行動——避難所と避難場所の違い

似た言葉ですが、「指定緊急避難場所」と「指定避難所」は法律上も役割上も別物です。指定緊急避難場所は、迫っている危険から命を守るために緊急に逃げ込む場所で、洪水・津波・土砂災害など災害の種類ごとに指定されています(洪水のときに使えない場所が、地震のときは使えることもあります)。指定避難所は、家に戻れない人が一定期間生活する場所です。同じ小学校が両方を兼ねることも多いですが、「とりあえず近くの学校」ではなく、「この災害のとき、どこへ」をハザードマップで確認しておく必要があります。

もうひとつの誤解が「避難=避難所に行くこと」。実際には、安全な場所にいる人まで避難所に行く必要はありません。自宅が浸水想定区域外で耐震性に問題がなければ在宅避難、安全な地域の親戚・知人宅やホテルも立派な避難先です(分散避難)。避難所は物資も空間も限られます。選択肢を平時に複数持っておくことが、当日の判断を軽くします。

行動には2つの型があります。危険な場所から安全な場所へ移動する「立退き避難」と、外に出るほうが危険なときに建物内のより安全な場所(上の階、崖と反対側の部屋)へ移る「屋内安全確保」。どちらを選ぶべきかは、01章のハザードマップと03章の警戒レベルで決まります。家族で「いつ・誰が・どこへ・どの経路で」を時系列で決めておく——これを書式にしたものがマイ・タイムラインで、多くの自治体がテンプレートを配っています。

指定緊急避難場所 指定避難所
目的 命を守るため緊急に逃げ込む 帰れない人が一定期間生活する
指定 災害の種類ごとに指定 施設として指定
高台の公園、洪水対応の建物の上層階 小中学校の体育館、公民館
確認方法 自治体のハザードマップ・防災ページ(同じ施設が両方を兼ねる場合もある)

公式情報源

避難場所・避難所の指定は市区町村が行います。必ずお住まいの自治体の情報を確認してください。